1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 05:33:21.75 ID:knDBZFk80
魔王「暇だ」
勇者「そりゃあ世界征服終えたからな。統治や政治は優秀な部下がやってくれるからすることないしな」
勇者「というか、俺はお前が働いている姿を一度として見たことがないわけだが」
魔王「まさか、こんなにも暇になるとは思わなかった」
勇者「話しを聞けよ。まあ、いいや。約束を守ってくれるんならなんでもいいよ」
魔王「ああ、世界の半分だな。やるよやるよ。そんくらい」
勇者「随分と適当だな」
魔王「だって私を殺せるのはお前くらいで、そのお前が仲間になるんなら、これくらい安い安い」
勇者「ビジネスパートナーだと思って欲しいね」 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 05:34:55.54 ID:wjHzL4CG0
むしろ魔王を殺して全世界を掌握すべき 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 05:36:45.89 ID:knDBZFk80
魔王「そういうお前は随分とドライだ。損得で全てを判断するのは楽しくないぞ?」
勇者「そういうもんさ、人間は」
魔王「そういうもんかね。だとしたら私は魔族でよかったよ。
私はあんなにも簡単に仲間を裏切り、背後から突くようなことなんてしたくない」
勇者「仕方ないだろ。あいつら、絶対説得になんか応じなかったぜ。
だまし討ちでもしないとこっちが危なかったよ」
魔王「相当なゲスだね、お前は。まあ、いいよ。ゲスでも。私はどんな奴でも仲間は大切にするんだ」
勇者「お優しいこって」
魔王「ところで領土の話しだけれど、めんどくさいから
この地図を半分に線をひいて、右が私。左がお前でいいかな?」 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 05:37:26.66 ID:qQVwRN0L0
適当すぎんだろwwwwwww 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 05:39:36.91 ID:cS65b45rP
魔王ヤル気ねー 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 05:40:19.60 ID:qZ+68KH70
何故か勇者が杉田で再生される 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 05:42:03.75 ID:knDBZFk80
勇者「まあ、それでいいかな。後、すこし部下をわけてくれよ。流石に俺一人じゃ統治できないって」
魔王「そうだな……。おい、幹部A」
幹部A「お呼びでしょうか?」
魔王「これから勇者のサポートにつけ。お前の所の血族も一緒にだ」
幹部A「御意に。これから一族共々よろしくお願いします、勇者様」
勇者「あー、こっちもよろしく。じゃあ、さっそくだけれど、これからのことについて話し合おうか」 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 05:46:02.67 ID:knDBZFk80
勇者「おーい。王様。お久しぶり」
王様「貴様! ……裏切り者がなんのようだ。殺すならさっさとしろ」
勇者「うんうん。冷静さを直ぐ取り戻す辺りが、流石王様だよね」
王様「魔族に世界が支配された今、王もなにもあったものではない。人は皆、家畜同様だよ」
勇者「今までのパワーバランスが逆転しただけで随分とまあ、すごいことを言うね。王様。」
王様「王などここにはいない。いるのはただ敗北した惨めな老兵だ」
勇者「いやいや、それがそうでもないんだな、王様。まだまだ引退してもらっちゃ困るんだよ」 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 05:48:39.43 ID:knDBZFk80
王様「……どういうことだ?」
勇者「まあ、なんというか。もう一度、統治して欲しいんだよね。国を。名目だけでもいいから」
王様「なんだと!?」
勇者「ほら傀儡国家ってやつ? 生き残った人間に暴れられても困るし。やっぱり顔ってのは大切だよ」
王様「断るとは、言えないのだろうな」
勇者「賢明すぎると生きてるの辛いよね。無駄な脅しをしなくてすんだよ」 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 05:55:49.71 ID:knDBZFk80
勇者「やー、うまくいったよ。王様怒りすぎて憤死したらどうしようとか思ってたけど、案外に冷静だったね」
幹部A「おめでとうございます。これで統治は少し楽になりましたね」
勇者「まーね。既存のシステムを乗っ取る方が楽だし、効率的だし」
幹部A「彼の治めていた国は西国国土にして約七割になります。ほかの部分はいかがしましょうか?」
勇者「統合しちゃうよ、そりゃ。にしても西国って何? もしかして俺と魔王の国を西国と東国にしたの?」
幹部A「少なくとも、魔王様のところではその名称で定着しているようです」
勇者「なんか、本当にびっくりするぐらい適当だよね。あの魔王」
幹部A「いい加減を絵に描いたような魔族ですから」 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 06:11:33.18 ID:14YoDxaOO
憤死って歴史ものだとよくあるけどどういう死に方なんだろな 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 06:07:12.48 ID:knDBZFk80
勇者「まあいいや。とりあえず、国境付近には関所みたいなの建設しといてね。
海域には結界でも俺が張っておくから」
幹部A「結界なんて張れるのですか?」
勇者「勇者は昔から人が出来ることなら何でも出来るんだよ。そういうふうになってるから」
幹部A「そういうものですか」
勇者「そういうものだよ。後、無計画な人間捕獲は赦さないから。
それは君の一族にも言っておいてね。必要数はこっちで用意するから」
幹部A「それはまた何故?」
勇者「解らないかな。国民がいなければ、国なんてものは意味がないということだよ。
魔族と俺とでは価値観が違いすぎるから、人間風な国造りをさせてもらうよ。」
勇者「もちろん、君たち魔族は人間よりも上位におかせてもらうけれどね」
幹部A「御意に」 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 06:10:21.02 ID:wjHzL4CG0
サクサク世界征服してくな
なんで最終決戦まで大人しく冒険してたんだ勇者 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 06:18:23.98 ID:knDBZFk80
魔王「おい、お前!」
勇者「……あれ? なんで魔王がここにいるの?」
魔王「暇すぎて仕方ないから遊びに来た」
勇者「俺はそこそこ忙しいのだけれどなあ」
魔王「馬鹿な。忙しいだと。私はこんなにも暇だというのに」
勇者「無能な怠け者は司令官向きだからいいんじゃない」
魔王「褒められた気が全くしないな」
勇者「事実、褒めてないからね。で、どうしたの。随分とご立腹なご様子だったけれど」 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 06:30:16.75 ID:knDBZFk80
魔王「そうだ! 勇者、お前! あの結界はなんだ。すぐ取り払え」
勇者「えー、やだよ。そっちは凶悪な魔族もいっぱいいるし。
最近ようやく安定してきたのに、そんな危険分子に不法侵入とかされたくない」
魔王「むむむ」
勇者「こっちの法律とそっちの法律は違うんです。
それに適応できないでバカバカ人間が殺されたら洒落にならないよ」
勇者「それにどうしたのさ。急に。文句があるなら張った時に言えばよかったじゃない」
魔王「すり抜けるのにあんなに痛いと思わなかったんだよ!」 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 06:33:30.53 ID:07o5KnClO
わざわざ結界を通り抜けたんかいwww 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 06:34:26.65 ID:wjHzL4CG0
関所通してくれなかったのかwwww 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 06:31:23.87 ID:knDBZFk80
勇者「……幹部A」
幹部A「ここに」
勇者「魔王って馬鹿なの?」
幹部A「馬鹿ではありません。阿呆なだけです」
勇者「そうか。そうだな。じゃあ、お帰りはあちらだ、阿呆魔王。悪いけど案内してやってくれ部下A」
幹部A「御意に」
魔王「お前、昔から口悪いよな。本当に私の部下なの?」
幹部A「今は勇者様の部下です」
魔王「ですよねー」 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 06:36:02.30 ID:knDBZFk80
勇者「……大人しく帰るのか。かなり以外だな。終わったから扉の外で待ってなくていいよ、王様」
ギィィィ(扉が開く音)
王様「……」
勇者「芋虫を噛み潰したような顔は止めて欲しいかな。というか老けたね、顔が」
王様「昨日一日で、ついに千人が魔族に喰われたよ」
勇者「魔族も数が増えてるからね。大丈夫だよ。千五百人が産まれたから」
王様「無理矢理、鎖につなげて孕ましてか!」
勇者「うん。解ってるじゃない」
王様「貴様! それでも人間かッ!」
勇者「嫌だな。人間だよ。彼女たちには悪いと思うけれど、
五万人の犠牲で、一億人以上が救われるのだからいいじゃない。
勇者「彼女らのおかげで、一般人は襲われないわけだし」 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 06:39:03.14 ID:wjHzL4CG0
> 芋虫を噛み潰したような顔
やな想像させるなよ
つーか完全に勇者の方が魔王より外道じゃねーかwww 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 06:46:32.86 ID:knDBZFk80
王様「その一般人の七割は奴隷だ!」
勇者「やー、三年くらいかな。ようやく魔族側もお金という概念を認識し始めてくれたからね。
三割も対等に立てることができて本当によくやったよ、王様」
王様「ギリィ(歯を食いしばる音)」
勇者「これからもよろしく。王様、有能だから。
僕は今の人口の半分くらいになるものだと思っていたし、いや、ホント、よくやってるよ」 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 06:53:41.42 ID:cS65b45rP
勇者、魔王よりおっかねえ 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 06:55:56.31 ID:knDBZFk80
幹部A「……というわけで、魔族の増加も頭打ちになり、
一時懸念されていました人間の減少はまず起こらないでしょう」
勇者「いやいや、素晴らしいね。というより、魔族の増加の頭打ち早いね。国が出来てまだ五年くらいだよ」
幹部A「魔族はマナの絶対量で総数が決まりますから」
勇者「限界ってことね。後、報告書で気になったけれど、魔族の中でも貧富の差が出てるみたいだけど」
幹部A「ええ。金という思想を得たためだと思われます。
どうしても知能の低い魔族は、貧困に陥りやすいようで」
勇者「差別は始まってる?」
幹部A「始まっております。我が一族でも魔族の奴隷を購入しておりますし」
勇者「ある程度は自然淘汰させるけれど、度がいきすぎれば問題だよ。
東側にも人間のような生活を魔族にさせるな、って向こうの幹部さんに怒られたし」 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 07:00:37.30 ID:14YoDxaOO
東側がどんな惨状になってるのか考えると怖い 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 07:06:09.71 ID:knDBZFk80
魔王「私も仲間は大切にするべきだと思うな。魔族はみな兄弟。
大切にすべきだ。おっと、勇者もその中に入るから心配するなよ」
勇者「気配を消して俺の後ろに立つなよ。びっくりするだろ」
魔王「ふん。あの滅茶苦茶痛い結界のお返しだ」
勇者「一応、上級モンスターも消し炭にするくらいの勢いでつくったんだけどなー」
勇者「人間の限界レベルをそんな簡単に超えられるとちょっと凹むかも」
魔王「簡単じゃない! 絡まるし、まとわりつくし、べたべたするし、びりびりするし、最低だぞ、あれ」
勇者「ていうか、そんなに嫌なら関所から来ればいいじゃない」
魔王「お忍びにならんだろう、それじゃあ」
勇者「どうせ仕事もないんだからお忍びじゃなくてもいいだろ……」 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 07:14:19.75 ID:knDBZFk80
勇者「いやー、魔族で議会を開いて、憲法をつくるところまで来たか。早いね」
幹部A「まあ、事実上の最高決定者は勇者様ですけれど」
勇者「王様も去年死んじゃったし。丁度よかったかな」
幹部A「彼は優秀でしたから。正直、議会なんてものよりも彼が一人いたほうがよっぽどよかったですよ」
勇者「あらら、珍しい。どうしたの?」
幹部A「議会というやつは遅すぎます。無駄な事務ばかり増えて。
ああ、彼が存命中はもっと実りがあったというのに」
勇者「俺は仕事熱心な幹部Aに涙が出そうだよ」 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 07:18:23.67 ID:knDBZFk80
魔王「暇だ」
勇者「背後に立つなよ。ホント、なんでこんなやつに仕えていたの?」
幹部A「強いですから」
勇者「なるほど。道理だね。で、何用?」
魔王「おおう、そうだそうだ。幹部Dに伝言を頼まれたんだ」
勇者「(ぱしらされる魔王って何なんだろう)」
魔王「人間を少しわけてくれんか? こっちだと繁殖に失敗してしまってなあ」
勇者「どうせ無計画に殺し回ったんだろ」
魔王「うーん。人間殺しのどこが楽しいか私には解らないんだがなー、こう、ブームが……」
勇者「魔族に関しては馬鹿みたいに福祉厚生しっかりしているのに、
人間に関しては本当に滅茶苦茶だね。笑えないよ」 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 07:20:03.21 ID:cS65b45rP
ブームなら仕方ない 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 07:24:12.42 ID:knDBZFk80
幹部A「……?(ここまで棘のある言い方は珍しいですね)」
魔王「頼むよー。ほんの二万人でいいんだ。今度はちゃんと繁殖させるからぁ」
勇者「駄目駄目。そうやってまた殺しちゃうんでしょ。管理が出来ないなら渡せません」
幹部A「(なんか犬を飼いたいとだだをこねている子供をあやしている、お母さんみたいだ)」
魔王「なあー頼むよー」
勇者「だーめ」
魔王「なあなあなあなあなあ」
勇者「プランをもってこい、プランを」
幹部A「(お母さんだな。本当に)」
結局、二万人を二十ヶ月かけて東国におくる条約を結びました。 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 07:27:40.87 ID:14YoDxaOO
幹部Aと勇者の心情に含みがあっていいね
魔王自身の人間の扱いが魔族的じゃないのも面白い 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 07:33:40.98 ID:knDBZFk80
勇者「街を散策できるくらいには暇になってきたなー」
幹部A「私は仕事量が激増ですよ。無意味な事務仕事は嫌いです」
勇者「君の所の一族を使えばいいのに。有能すぎて、他の者にやらせるとイライラするのかな?」
勇者「無能の使い方を覚えないと、後々で困るよ」
幹部A「最近、それを実感しております。我が一族も名誉心ばかり高くなってしまい……」
勇者「まあ、最も高貴な血、とか雑誌でも言われているしね」
幹部A「止めて下さい。恥ずかしい」
勇者「そこで恥ずかしいと言えるから、幹部Aはずっと僕の右腕なんだろうと思うよ」 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 07:42:46.87 ID:a9zgeDubO
久々に面白いと思った
よし続けてください 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 07:46:53.89 ID:qK0hhtp00
面白いぞ
支援 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 07:47:06.82 ID:knDBZFk80
魔王「勇者ー!」
勇者「なんだ、最も阿呆な血の奴か」
魔王「? なにか言ったか」
勇者「べーつに。で、どうしたのさ、魔王。そんなに嬉しそうにして」
魔王「人間の繁殖に成功したんだ! お前にもらった人間が十万にもなったぞ!」
勇者「おお! すごいじゃないか。
どうせ殺してしまうのだろうと思っていたけれど、やれば出来るんだな。東国」
魔王「私自ら運営をしていたからな(ふふん)」
勇者「なん……だと……」 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 07:48:14.75 ID:23Zb1bsW0
えっ? 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 07:49:28.66 ID:Fxv55dcT0
魔王がさいのうをはっきしだした 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 07:51:48.19 ID:knDBZFk80
魔王「大変だったんだぞー。人間は脆いからな。
びっくりしたよ。あいつら一週間飯喰わないだけで死ぬんだな」
魔王「病気で死ぬし、怪我で死ぬし、疲れて死ぬし。死に安すぎだろ、人間!」
魔王「それなのにな私の部下ときたら、それはもう乱雑に人間を扱うんだ。
もうね、見てられない。私がやるしかないと思ったよ」
勇者「まともな……ことを言っている……」
魔王「褒めていいぞー、勇者ー」
勇者「お前は誰だあーッ! この偽物め!!」
魔王「おおい! 何をする、私は本物だぞ」
勇者「馬鹿を言え! 魔王はもっと、こう、残念なやつなんだああああああ!!!!」 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 07:54:30.73 ID:5SqnfiX60
勇者内心穏やかじゃないぞ
魔王暗殺近いで 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 07:54:45.62 ID:pgX89f47O
作物育ててる感覚だな 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 08:05:34.86 ID:knDBZFk80
勇者「……(ボロボロ)」
魔王「すまん。やりすぎた」
勇者「いいよ、俺が悪いし。魔王のほうが強いなんてことは最初から知ってたし」
魔王「でも、お前も私を殺せるくらいには強いよ」
勇者「それは俺が勇者だからだよ。実力的には人間の限界点くらいしかないさ、俺は」
魔王「そうかなー。お前と対峙すると命の危険というやつを感じるのだけれど」
勇者「魔王の本能だろ。きっと」
魔王「そうかもな。私は三十七回目の生まれ変わりだから、三十六回は勇者に殺されているわけだし」 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 08:15:52.56 ID:knDBZFk80
勇者「百回中三回くらいだよ。お前を殺せるのは」
魔王「まあ、勇者と私は仲間なわけだから、関係ないけどな」
勇者「ビジネスパートナーだと最初に言ったろうが」
魔王「私が仲間だと思ったから、それでいいんだ」
魔王「勇者は自分の仲間を平気で裏切るゲスだけど、
私はそんなゲスを仲間にひきいれた。だから勇者は私の仲間なんだ」
魔王「たとえ裏切られても後悔はないよ。私はゲスな勇者と違って、仲間が大切なんだ」 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 08:18:39.68 ID:KDfOswTWO
( ;∀;)イイハナシナノカナー 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 08:25:07.00 ID:knDBZFk80
勇者「……」
魔王「じゃあな、勇者。勇者は、勇者だけど、一応は人間なんだから
身体に気をつけろよ。本気で攻撃して悪かったな」
勇者「……待てよ」
魔王「なんだ?」
勇者「人間、よくそこまで増やしたな。すごいな、お前」
魔王「! ま、まあな。じゃあ、私はこれでいくぞ」
勇者「……」
幹部A「なんか、滅茶苦茶部屋に入りにくい」 72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 08:31:29.58 ID:knDBZFk80
勇者「なんか議会が俺に逆らい始めてワロタ」
幹部A「基本的に名誉のために議員やっているような連中ですし、
選挙選挙で馬鹿ばかりです。やはり彼は素晴らしかった」
勇者「本当に王様をリスペクトしてるな、幹部A」
幹部A「ええ、本当に。彼が生前だった頃は何も感じませんでしたが、やはり死んだ後に
その者の本当の価値が解りますね。
彼がいかに聡明で、理知的だったか……。惜しい人をなくしたものです」
勇者「王様か……。なつかしいな。天国でのんびり暮らしているといいね」
幹部A「そういう思想は魔族にはありませんが、そうですね。死後、彼の魂が安息であればと思います」 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 08:40:22.00 ID:knDBZFk80
魔王「そういえば勇者って人間なのに歳をとらないな」
勇者「勇者は魔王を倒すためだけに産まれてくるから、
幼年期で肉体がピークを迎え、それ以降は老いないんだ」
魔王「ほほう。それは知らなかったな」
勇者「寿命も人よりは長い。そうだな、百五十年くらいは生きられるぞ」
魔王「そうかそうか。ちょっとほっとしたよ」
勇者「どうして?」
魔王「人間は直ぐ死ぬからな。仲間が五十年やそこらで死んでしまったら悲しいじゃないか。
まあ、百五十年も十分に短いけれど。ちなみに今、何歳だ?」
勇者「……二十二、だったか」
魔王「早熟すぎだろ!」 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 08:47:42.57 ID:0WU5wsXX0
それは150年かけて魔王を倒せって事なのかそれとも
魔王を倒したあとたくさん生きてねって事なのか・・・ 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 08:49:50.87 ID:xUTCZvIF0
それは本当に人間なのか 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 08:59:01.87 ID:knDBZFk80
勇者「大分国も発展してきたなあ」
議員A「やや、もしやとは思いましたが、もしやもしやの勇者様ではありませんか」
勇者「え、ああ。なんだ。第一党の議員Aじゃないか。何してるの?」
議員A「我輩はあそこの建築現場の視察がありましてな。ここで会ったのも何かの縁。ささ、ご一緒に」
勇者「(まいったな。でも、こういうところで議員と縁を深めていかないといけないし)」
勇者「まあ、暇ですし。お供しますよ」
議員A「お供などととんでもない。
勇者様にそのようなことを仰るような奴がいれば、そいつは国家反逆罪で逮捕ですな!」
勇者「まあ俺の国だしね」 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 09:00:19.18 ID:knDBZFk80
職員「これはこれは議員A様。よくぞいらっしゃ……勇者様!? あ、ああ、あの、これはどういう……?」
議員A「騒がなくともよいよい。
まあ、勇者様を見て騒がずにいられる者なんて、そうそういないでしょうがな、がははは」
勇者「(権力の誇示に使われるっていうのは気分悪いね)」
勇者「悪いね。ちょっと一緒に視察することになってさ。まあ、迷惑かけないから」
職員「い、いえ! 是非ともよろしくお願いします!」 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 09:01:18.71 ID:knDBZFk80
職員「私どもの会社では魔族の奴隷は倫理的に反するということで、人間の奴隷のみを採用しております」
奴隷A「ううぅー、あー」
奴隷B「ぐうううう、畜生。あれだけの飯で力がでるか。くそったれ……」
奴隷C「あぁああぁああぁあ……」
勇者「(体中擦り傷だらけ。頬はこけて、目はくぼんでいる。栄養状況が悪いのだろうな)」
職員「未だに劣悪な環境で魔族を働かせるという、企業もございますが、
私どものところではそんなことは一切おこなっておりません」
議員A「すばらしい主義ですな! 勇者様もそう思われるでしょう?」
奴隷D「ふぅ、ふぅ、ふぅ(足を止めて少しばかり休憩している様子)」
現場監督「(石を投げつける)」
奴隷Dは一瞬、身体を強ばらせ、びくびくと怯えながら業務に戻った。
勇者「ああ、そうだな。東国ではもっとそういった魔族権利というものが
充実しているし、西国もそういうところは見習わなければならないな」 84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 09:07:15.98 ID:vSYKnheD0
最近のSSの中で一番生生しい 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 09:16:23.71 ID:TRcsDV5OP
支援 86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 09:16:23.73 ID:knDBZFk80
勇者「……」
幹部A「ああ、勇者様。探しましたよ(酒臭い?)」
勇者「幹部Aか。すまないな。俺のことなんか探させてしまって」
幹部A「何を言っているのです。飲み過ぎですよ(勇者様が酒を飲んでいるなんて初めてだ)」
勇者「駄目だ駄目だ。飲み足りない。死ぬまで飲むんだ、俺は」
幹部A「何を馬鹿なことを言っているのです。さあ、帰りますしょう」
勇者「馬鹿だよなぁ……。本当なあ……」
幹部A「ほら、肩をかしますから」
勇者「なあ、知ってか。幹部A。俺、魔法使いのこと好きだったんだぜー」
幹部A「魔法使いって誰ですか。さあ、しっかり
(誰かにふられたのかな。そんなそぶりは全くみせなかったけれど)」
勇者「馬鹿だよなぁ……」 141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 16:53:58.28 ID:mC38hhPH0
勇者「頭が痛い。爆発するの? え、なにこれ。炸裂するわけ?」
幹部A「飲み過ぎですよ」
勇者「くそー。殊勝に議員Aの宴会についていくんじゃなかった。
人生、初酒でこれは酷いよ。二度と酒なんて飲まないね」
幹部A「お水です」
勇者「ありがとう」
幹部A「やるべきことは一段落ついてますし、今日一日くらい
ゆっくり休養なされたらいかがですか? 建国以来、働きづめですし」
勇者「悪いけどそうしようかな。脳味噌じゃなくて鉄球がつまっているような気分だ……」 177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 22:11:22.73 ID:PNiTFqhe0
魔王「どうした、勇者。ついにお前も私みたいに暇になったのか」
勇者「二日酔いというやつだよ。頭が痛いから、あまり話しかけるな」
魔王「人間は脆くていかんな。私を見ろ。いつも超絶元気だぞ」
勇者「馬鹿は風邪をひかないというのは本当だったようだ」
魔王「ゲスは風邪をひくんだな」
勇者「ゲスだからな。恨みをかっているんだろうよ、きっと。それに風邪じゃねえ」
子供「……」
勇者「ところで、あの子供はなんだよ。見たところ人間ぽいけど」 184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 22:19:31.05 ID:PNiTFqhe0
魔王「ああ、私の人間農場で育てた人間だよ。私の付き人にすることにしたんだ」
勇者「へえ。それは酔狂なことをするな。なんでまたそんなことを」
魔王「情がうつった」
勇者「は?」
魔王「情がうつった」
勇者「魔王が人間に情をうつすとかあるんだな。信じられん」
魔王「まあ、人間農場の経営者だしなー。愛着くらいはでるさ」
子供「……」
勇者「ふーん」
子供「……」 185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 22:20:02.23 ID:cN3Lji+N0
もちろん幼女だよな? 194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 22:35:21.88 ID:PNiTFqhe0
魔王、幹部Aにも会いたいとこの場を去る。
子供「……(じー)」
勇者「……」
子供「……(じー)」
勇者「なんだよ、じっと見て。気になるじゃないか」
子供「なんで、勇者様は人を捨てたの?」
勇者「誰でも躊躇うだろうことを平気でやる子供って凄いよね。尊敬するけど、とても真似できない」
子供「?」
勇者「力量差と、相手が自分にとってどういう関係か。それは知るべきだ。その質問は賢明でないよ」
勇者「世の中、事実を言われると怒る輩もいるんだ」
子供「怒った?」
勇者「怒ってないさ。ただ、賢く生きることを、先輩として子供に教えているだけだよ」
子供「?」
勇者「まあ、賢明すぎると生きてるの辛いけれどね」 199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 22:50:46.35 ID:PNiTFqhe0
幹部A「どこの誰にふられたのか知らないけれど、この国の持ち主なんだから力ずくでものにすればいいのに」
幹部A「まあ、おかげで休んでもらう口実になったから別にいいか」
幹部A「それにしても、やはり、この書類の山をどうするべきか……」
魔王「やあ、幹部A」
幹部A「ああ、魔王様。またいらしてたのですか」
魔王「なにせ暇だからな。人間農場の運営も、もはや私がいなくてもなりたつし」
幹部A「はあ、そうですか。では、私は仕事がありますので。
お帰りはあちらですが、お一人で大丈夫でしょうか?」
魔王「まあから思ってたけど、幹部Aは私のこと嫌いだろ」
幹部A「いえいえ、滅相もない」
魔王「まあ、いいけど。勇者をいたわってやれよ。
あれは勇者でゲスだけど、人間なんだ。びっくりするくらい脆いぞ、あれ」
魔王「勇者はいつも忙しそうにしている。知ってるか? 人間は忙しくても死ぬんだ」 200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 22:53:59.13 ID:PNiTFqhe0
幹部A「驚きの貧弱さですね」
魔王「そうそう。貧弱なんだ。しばらくベットにでもくくりつけとけ」
幹部A「失恋で心も弱っているでしょうし、勇者様のほうにご提案してみたいと思います」
魔王「失恋?」
幹部A「ええ、どうも、魔法使いという輩がどうのこうのと……」
魔王「んー、その名前、どっかで聞いた気が?」
幹部A「それでは、本当に私は仕事がありますので」
魔王「どこだったかなー?」
魔王「あれ、幹部Aがいなくなってる」
魔王「……」
魔王「……帰るか」 202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 23:07:34.40 ID:PNiTFqhe0
勇者「奴隷の人間が反乱?」
幹部A「ええ、どうやら。まあ三時間で鎮圧しましたが」
勇者「まあ、所詮は人間だからね。栄養状態も悪いし、健康状態も悪い。
よぼよぼの身体じゃあ反乱だってまともにできない」
勇者「それどころかそんな真似をしようと考え、行動できる奴がどれだけいることか。
これを煽動していた奴は大した奴だよ」
幹部A「それなのですが」
勇者「うん?」
幹部A「その首謀者と思われる男が『自分は勇者だ』と名乗りをあげているらしく」
勇者「ふーん。偽物?」
幹部A「そのように思われていたのですが、どうもマナを見てみると……」
勇者「勇者が一世代に二人か。珍しいこともあるものだ。捕まえた?」
幹部A「いえ、逃げられてしまいました。深追いした隊はどれも全滅に近い有様で」
勇者「魔王にも、伝えたほうがよさそうだね」 204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 23:16:55.13 ID:WGcD9P3t0
勇者二人目か
おもしろいな 206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 23:31:22.11 ID:PNiTFqhe0
勇者「魔王を呼んできてもらえるかな?」
幹部A「御意に」
ぶん、と音をたてて幹部Aが消える。
勇者「……さて、と。これで俺の策が全て成ったわけだけれど」
勇者「勇者は人の希望。絶望が大きければ、また勇者も強くなる」
勇者「俺は人間の限界点程度の力しかなかった」
勇者「魔王は強すぎる。あれには勝てない。まず、勝てない」 207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 23:31:31.89 ID:gXlEHSwMP
この勇者は、もはや世界から勇者って認められてないんだろうな 209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 23:32:39.77 ID:PNiTFqhe0
勇者「人間を守りながら、強くなろうと思った。人々が苦しめば、勇者は強くなる」
勇者「けれども、俺の力は上下しなかった」
勇者「得心がいった。新たな勇者のほうに力がいっていたのだ」
勇者「そして、古い勇者は……」
しおしおしお
勇者「老いていくか。世界も人も、あちらを正しい勇者として認識したようだ」
勇者「俺はもう、ただの男だ。老兵だ」
しおしおしお
勇者「ああ、これは死ぬな。老いる速度に体力がついていっていない」
しおしおしお
勇者「……最期に、報われた気分だよ」
勇者「魔法使い……。すまなかった」 214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 23:39:02.61 ID:WGcD9P3t0
勇者マジいいやつ 218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 23:41:41.78 ID:PNiTFqhe0
魔王「死んでいる」
幹部A「これは……どういうことでしょうか」
魔王「安らかな顔だ。こんな表情を浮かべることができたんだな、お前は」
幹部A「魔王様……」
魔王「ゲスな勇者はいない。幹部A。これからはお前がこの国の最高責任者だ」
幹部A「……」
魔王「私はお前に世界を半分こにできて、本当によかったよ」
魔王「ああ、そうだ。ようやく思い出した」
魔王「魔法使いはお前の仲間だったな」
魔王「後悔だらけだったんだろうな、お前の人生は」
魔王「死ねて、よかったな。私は少し、悲しい」
完 220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 23:42:21.14 ID:8Afqckr30
あいよ乙 221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/16(金) 23:42:58.65 ID:I9rL99xq0
大層乙であった 256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/17(土) 00:32:37.90 ID:yeJQIVZBO
乙 281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/17(土) 06:50:43.36 ID:IPc3h8aiO
>>1乙
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2chスレ :
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Comment
なんか微笑ましいなwww
もうちょっと読んでいたかった・・・
>>19
本当にお年寄りだと、頭に血が上るとそのまま「ウッ」なんてことはよくある。
欠陥ももろくなってるから脳溢血でも起こすんだろうな。
面白かった
尼は、いちばんうしろの大魔王じゃなくて
魔王さんちの勇者様にしとくべきだったな
つまり第一勇者は本当の勇者じゃなかったってことか!そのくせにいろんなことできてたよね
久々におもしろかったぜ
安易なカプネタに走らない勇者モノは面白いな
これで魔王やら幹部Aやらとのイチャコラがあったら駄作だった
魔王は人間を大切にできるんだな…
まぁペット感覚かもしれんが
>>70838
勇者じゃなかった、というか「勇者だったんだけど、世界が新たな勇者を生み出して、そちらに勇者の力が移ったので勇者じゃなくなった」という解釈じゃないのか?
米70838
よく読めよ
これはすごいな、ショートして完成度高すぎる、
商業誌にのっててもまったく違和感のないレベルだろこれ。
面白かった
面白かったよ
>>70838
強すぎる魔王を倒すためにこれ以上強くなれない勇者がさらに強い勇者を世界が作り出すためにしてきたお話
魔王強すぎ→魔王に負けると人類滅亡→回避しなければ!→魔王と手を組む(好きな女を泣く泣く殺す)→人類存続→より強い新たな勇者の出現(これこそが真の狙い)→お役御免で老衰
てことかしら。
魔王「そういうもんかね。だとしたら私は魔族でよかったよ。
私はあんなにも簡単に仲間を裏切り、背後から突くようなことなんてしたくない」
勇者「仕方ないだろ。あいつら、絶対説得になんか応じなかったぜ。
だまし討ちでもしないとこっちが危なかったよ」
全部読んでからここよむとせつない
もう少しだけ救いがほしかった。ちょっと悲しい。
あと、魔族の議員の件は人間臭ければ臭いほど味がでると思う。
面白かった。久々に良い物を読んだ
>>70848
だな。同世代で次の勇者が現れることまでは予想していなかったのかもだけど
>>70849
ああー、二周目読むと来るものがあるなこれは
確かに二週目でより一層悲しくなった。これは保存しとこう
また続き書いてくれないかな・・・
人間を少し理解した魔王と付き人の子供と新しい勇者が
どう動いていくのか気になる
勇者システムが勇者の意図した通りに働かなかったのが興味深い。
まー意図通りだったらSSにならんわけだが。
完成度高すぎてどうしたらいいかわからない
思っていたよりも話が深かった…続き希望
深いなぁと思うけど
これ軽い調子で書いてるからちょっと残念って感じがするね
ドシリアスに書いたらすごいんじゃないかな
まあ内容が重いから文体まで重いとダメージ倍増しそうだけど
なんか感動したっつーか、やられたっつーか。
「私は少し、悲しい」これ好き
タイトルで軽い話かとおもったんだが・・・深かった
これはすごいな
ショートショートって言うのかな
なんか短編なんだけど満足感がスゴイ
重すぎず軽すぎず頭に残る辺りが良作として心に残りそう
米70856
あんま重いと読みづらいから丁度いいんだよ
これはすごい。完成度高すぎ
続きは書いてほしくないな
なんとなく読んでみたらすげぇクオリティだったな・・・。
DQ10として採用される。
軽い気持ちで読んでたのに思いのほかおもしろかった
アリスソフトの世界観がこんな感じだったな。
ランス世界のアナザーストーリーっぽい。
2chのssでここまで伏線を張った作品を初めて見た。続きがみたいな
これは面白かった
乙
勇者だけで100回中3回ぐらい勝てるなら
戦士と魔法使いと僧侶がいれば普通に勝てるんじゃないか?
いやいやいや・・・
どこが良い奴で、どこが深い話なんだよ?
一辺倒な勇者で、大義のために何人犠牲にしたんだよ。
次のために『今』を犠牲にする理由が、「大義」のためだなんて死ぬほど頭にくる。誰のせいにもできない事が。
と、少年漫画脳な自分…。
このコメントは管理者の承認待ちです
漫画化してほしいねこれは
乙
※70874
お前全然理解してねえのな。
命の保証なんかほしがってないだろ、死ぬことにも納得してるし満足してる。
勇者の自分が死んで次の勇者が生まれるまで人類が生き残る保証なんてどこにもないんだよ、
現に魔族だけで統治させた東国はあっさり人間絶滅させちまっただろ。
だから絶望をより大きくしつつ、人類が絶滅しない状況を確立・維持しなきゃいけなかった。
そういう意味では、魔王が人間農場を完成させた時点で目的は果たしてたんだろうな。
あの時点で例え勇者が死んでも人類は生き残り続けるシステムが完成された。
書き溜めじゃなくて、即興らしいね。
いやいや、すごいな。
>70874
完成された(キリッ
あのね、自己満足だけで全てを決めて許されるのは、大人に保護されないと生きていけない幼児までだよ。
食料もしくは奴隷としてしか生き残れ無い世界なんて、君だって望まないだろう?
人類全体が納得した上で家畜化されたならともかく、人類の希望を自負・理解してる人間が、自分は人間の限界値で魔王にはまず勝てないという理屈で、自らの責任を放棄して仲間を不意打ちで皆殺しにしてまでやったという事を忘れてないかな。
そして、君の言うように旧勇者が死ぬ事に納得してるなら、勝てないまでも魔王に闘いを挑み撃ち滅ぼされる事で、新たな勇者にバトンを繋ぐだろ?
旧勇者は魔王と対戦するまでには、すでに勇者のシステムを理解してるわけだからね。
ついでに言うと、勇者の心情の変化は魔王が人間を育てるようになって、従者としてつれてきた子供を見てからなわけだ。
人間を裏切った時点では、良心の呵責や種の保存という概念は持っていないだろう。
君がもし魔族の人なら、理解できないかもしれないが。
救いとしては、魔王が、人間である子供に対し、情が移ったということかな
だから、もし人間の絶望=勇者の実力が魔王を倒すほどのものでなくても、
違った答えがあるかもしれない。
なんか、2代目勇者が本編で、その過去編という雰囲気。
本編を読みたいような読みたくないような気持ち
このコメントは管理者の承認待ちです
素直に面白かったと思ったわ
裏山な文才だなぁ
淡々とした会話から登場人物の人柄が読み取れてすごく引き込まれたわ
人間視点からすればとんでもない話だけどw
これは正義がどうとかなにが正しいまちがいじゃなくて
只どの手段を選ぶかってことだろう。
見た限り勇者たちが倒され、魔王らだけによって統治されたら
さらに酷い状況になっていただろうからな。
どっちにしたって気持ちのいい内容じゃないと思うけど。
なんか勇者のやった行為は1人を殺して10人を助けるか
何もせずに10人を見殺しにするかっていうことなのかな?
70882
勇者統治後三年目の時点で人間の三割は金の力で魔物と対等の存在になってるようだけど。
ていうか、「奴隷か食料として生き残れない世界なんていやだろ?死にたいだろ?」って決め付けてるじゃない、あんたも。
全人類アンケートでもとったの?
それでも生き残りたいって意見も絶対混じるよ、それ。
「つなぐだろ?」って言われても「繋がるまでもたない可能性」は微塵も浮かばないの?
>食料もしくは奴隷としてしか生き残れ無い世界なんて、君だって望まないだろう?
家畜とペットは彼らの尊厳のために根絶やしにしてあげるべき、ということですか?
勇者「人間を守りながら、強くなろうと思った。人々が苦しめば、勇者は強くなる」
勇者「けれども、俺の力は上下しなかった」
勇者「得心がいった。新たな勇者のほうに力がいっていたのだ」
つまり勇者がちゃんと勇者してる頃からすでに新勇者は存在してて、
でもまさか新勇者に力が流れてるなんて思わなかったから
すでに限界を迎えてしまった自分にできる範囲での人類生き残り計画がこれだったってことか
魔王→ゾーマ
幹部A→バラモス
・・・・かもしれないし逆かもしれない
想像が膨らむ余地のあるショートストーリーっていいね
魔王を3%程度の確率で倒せたとしても既に37回も生まれ変わっているため完全に消しされるわけではなく、
さらには幹部Aの存在など魔族側に社会性が存在するため、
魔王を倒した満身創痍の状態で、恐ろしい数の、しかも団結力のある魔族と戦わなくちゃいけない。
一方的に滅ぼしきることが不可能な条件で、
人類絶滅を防ぎ、かつ魔族と折り合いを付けて次に継いで行く方法を模索し悪役を演じた勇者の話というところだろうか…?
人によって解釈が全然異なるのも面白いw
米欄が普段の感想ではなく、感情移入しているものなのが面白いな。
米欄が感情移入しているものばかりでワロタ。普段は客体からの感想ばかりなのに。凄い良作だな。
「得心がいった」のがいつなのか気になるな
勇者は自分が魔王を倒せないとわかって、新たに魔王を倒す存在を導くために
悪役を買って出たんだろ・・・仲間を殺して死にたくなるほどの気持ちだったのに。
魔族側にも人間のシステムを理解させ、無駄な狩りは最小限に抑えて
せめて魔王側の強モンスターがこちら側に来れないように人間を守ってるじゃないか
そして勇者が統治できなかった魔王側の人間はほぼ全滅してる。
→勇者がそのまま魔王と戦って負けてたら、すべての人類が滅亡していた可能性
だからこそ勇者は、魔王が「人間すごい減っちゃった☆」って言ってきた時に
珍しく人間に対する感情を露わにして怒ったじゃないか。
もう何が言いたいかって言うと勇者の無力さが悲しすぎてペポーイ
軽いノリで開いたら予想外のシリアス
SSでこんなに引き込まれたのは久しぶりだわ
この勇者は実につらい時代に生れついたもんだね
実力的に絶対勝てない魔王が存在する時代に人類の最後の希望として生み出され、自分が死ねば種の存続すら危ういってなあ
奴隷化された人間側からすれば噴飯ものだろうが、魔王統治側で早々に全滅したという下りで、最低最悪の状況下であっても人類滅亡を防いだ勇者の判断が間違いではなかったことが証明されてしまっているからなあ(正しかったかと聞かれるとさすがに肯定はできんが)
とりあえず>>1乙と言わざるをえない作品
保存させてもらうわ
絶望システムを前提に、旧勇者の人類家畜化計画を考察すると、この計画の優秀さがわかる
今代の勇者が魔王を倒し損ねたとしても、人類が家畜である限り、より強い勇者が生まれ続ける
かといって、人間を奴隷とする社会になれた魔族が、今の生活を捨て去ることは難しい
俺らが「電気を使わず生活しろ」と言われても無理だろ?
人類にとっての最悪は「種の死滅」。これが起こりうるのは、勇者が機能する前に、魔族が総攻撃をした場合
つまりは、絶望が蓄積される前に滅ぶパターン
反乱の件を見るに、残念ながら、勇者を除けば戦闘力は魔族>>>>>>>人間なので、魔族が本気になれば人類は滅ぶ
魔王が阿呆じゃなかったら、とっくに滅んでるわな
ここで改めて現状を考えれば、
魔族達は資源としての人間の有用性を知り、幹部Aは人間にも優秀な者がいると考えて個としての人を認め、魔王は人間に情が移った
結果的に人間が滅びる可能性は限りなく下がり、魔族が滅ぶ可能性が上がった
ただ。人類が滅びる可能性を現実のモノとして考え、種としての勝利のために大量の人間を犠牲にする考えが理解できる人間が多分いない
人類の例外であり、対魔族の最前線で戦う勇者にしか理解できないだろ
最悪が種の死滅から家畜生活になり、人類の勝率を引き上げてるんだけどなぁ
一つだけ腑に落ちないのは「何が旧勇者を突き動かしたのか?」だな
36回も殺されているのに本気で人類を滅ぼしにかからないバカ魔王が相手なのに、何ゆえ人類を家畜化してまで滅ぼしにかかるんだろうね
家畜化以前の魔族による年間死亡者数は知らんが、天秤が触れるほどの数だったのかね
決意に至った動機が知りたいね
まとめられてない作者のレスより抜粋
>勇者→死んだ魚みたいな目で、なんかニタニタしているイメージ。ちなみに一番尊敬していた人は王様。
寝返ったあと、どんな気持ちで王様と接してたんだろうな……。
現状でもこの勇者が生まれるほどの絶望が人類側にあったんだし。
ここで変えようと思わなければこの先もずっとそういう世界だ。
現状打破のために生まれた勇者という生物なら魔王を倒せなくとも
「今後人類側がよりよくなる可能性を求める」
という性質が強くてもおかしくないんじゃないかな。
孕ませたって下りがエロイな…
従者の子供に懸命に生きるのは辛いって話しているのは自分が100/3の確立を取るか、1/1の確立に繋げるかを懸命に(勇者の観念)決めたことに対する自分への言葉ではなかろうか?実際セーブシステムがあるかわからないわけで
>>70935
「より良い世界のために貴方の大好きな人を殺しましょう」「人類を外敵の奴隷にしましょう」「人類を外敵の食料にしましょう」
罪の重圧と後悔で酒に逃げる程度には人間らしい旧勇者が、出自の使命感だけで実行できるもんかね
魔族が短期決戦を行わない限りは、どっちにしろ例のシステムが勇者を強くする事で調整を取るんだし、
無理に絶望を強くしたのには、それなりの理由があるように思えるというか、なきゃおかしくないかね
>>70939
100/3なら迷わず戦うわ
あとね、システムは勇者自身が語ってるんだから、それを疑うなら物語が成り立たない
>70940
魔王が短期決戦に入らないという確実な保証はどこにもないじゃん。
大震災がいつ起きるかわかんないからって対策システム作らなきゃ
いざあったときどーすんだ。
しかも話の中で魔王はまともに統治してない。
それこそ魔物のブームで人類絶滅まで追い込まれてる実例も出てる。
勇者を動かしたのは使命感じゃなく、焦燥じゃないかね?
強大すぎる天敵あいてに無対策の現状に焦らないのも変だろ。
対峙して相手の力はよくわかってるし。
あと、たとえば戦争で原爆落とした国は別に天敵とか自国民が
絶滅の危機だとかいう人道的に真っ当な理由があったわけではない。
人の行動に理路整然とした「正当な理由」を求めすぎるのも不自然でないか。
>>70939 のシステムはRPGとかにあるセーブシステムのことでないかな。
この勇者は22歳でなくなってしまったわけだけど、わりと天元突破グレンラガンの初期ボスのロージェノムですよね。
>>70947
保証、ねぇ。魔王が現れてから36回(年月にして数十年から数百年くらいか?)も人類が生存してること自体が、ある種の保証だと思うがね
統治されてないからこそ、人類全体が耐えうる程度の散発的な被害しか起きてないんだろ
焦燥はあったろうが、無対策かは描かれてないし読み取れる部分もないから知らんがな
俺が知りたいのは、具体的な決意に至った動機だよ。まともな人間性を有してる奴が、日々積もる焦燥だけで大切な人を殺して、人類を絶望に突き落とすのは難しいだろ
感情的に、エピソード的に重大な事があったんだろうなー、って話
原爆には「敵国を降伏に導くため」という建前を得た上での実験という、理路整然とした目的があるわな。人道的ではないがな
例えが何を意図してるかわからん。それは何に的を絞っての例えなんだ?
旧勇者の行動に限っては、人類の守護が目的だと示されてるよな。俺が知りたいのは上に挙げた通り、旧勇者が人類の家畜化を人類の守護に最適な手段だと考えるに至った理由な
そもそも理由なしに家畜化を最適選択とできる人間じゃないのは、作中で示されてるわな
あーセーブね
別に勇者が死んでも次代の勇者が現れるから構わんと思うがね
勇者システム自体の優秀さは、(旧勇者の場合は)勝率3%で、36回の勝利を重ねての人類の生存が示してるし、
敗北した場合でも救済措置はあるんだろうな。別の奴が勇者として覚醒するかもなー
結局は描かれてない、下手すりゃ設定も存在しない部分の話だけどなー
例えば、実は魔王は生まれ変わるたびに力を増してたりするかもしれんし、
例えば、白い鯨が人類と魔族の戦いを楽しく観戦するために勇者システムでバランス調整してるかもしれんし、
例えば、魔王は人類を滅ぼせないシステム上の制約をかけられてるかもしれんし、
勇者の決意にしても、魔王城への旅の途中で魔族への生贄を助けたせいで町が滅んだ、とか全てを救おうとして失敗した後悔を踏まえての事かもしれんし
答えはないけどな
>>70969
勇者を突き動かした決定的な理由が描かれてないのが不満なんだろ?
だが、描かれてない以上類推するしかないし、第三者がそれをやっても無意味。
無意味だが、それで納得できれば幸せなのよ。理屈とかどうでもいいじゃない。
私は私の中で勇者の行動は自己完結したから気にならなかったけど、あなたは気になった
それだけのこと。こんなコメント欄でどれだけ理屈こねても解決しないと思うよ。
数年後この魔王も倒されるんだろうな
切ない終わり方だ
>>71040
頼むから要点を絞ってくれ
「うっせぇ黙れ、こっちは楽しんでるのに邪魔なんだよカス」という意図はわかるが、文章の意味がわからねぇよ
あー。単純化すると、
『「類推」する事は、客観として「無意味」だが、主観として「幸せ」だから、「理屈」はどうでもいい』になるのか
えーと、つまりは、
「類推は理屈に基づく必要はなく、自己完結できる類推ができればいいのだから、
理屈の気にならないあたしにてめぇの理屈を押し付けんなやカス」ってことか!!
口調はともかく、内容が大体合ってるとしたら、すまんこ
ホントに理屈バカですまんこ。理屈バカは理屈があって当然だと考えるのです。「理屈? なくてオッケー!」って人間がいる事を忘れがちなのです
マジすまんこ
魔王と手を組んだ瞬間から勇者は勇者じゃなくなったんじゃないかなと思った。
男は黙って保存
いろんな解釈で議論するもよし。それぞれ思ったことを胸に秘めるのもよし。
ただ>>1乙とだけは言わせていただこう。
勇者はやっぱり世界を救うものだったって話か
過去戦績では勇者vs魔王は36戦36勝だったのでは?
それが伝説として伝えられていて勇者はそれを知っていたんじゃないか?
そう考えれば勇者が負ける⇒(未知の領域ではあるが)人類滅亡って考えを勇者がしていても納得がいく。
だから人類を(滅亡しないようにしながら)追い詰めて絶望システムで強くなろうとしたんだと俺は考える。
それと、旧勇者が知らなかった世界設定(妄想)
絶望システムの能力上昇スピードは絶対に人類が滅ばないレベルのもの(だから36戦36勝)
ところが今回は特殊で同世代に二人の勇者が生まれてしまったために、絶望システムは新勇者に受け継がれて旧勇者の能力は頭打ちになった。
それ故に旧勇者はずっと魔王より弱いままだった。
長文で議論してる奴らがウザくて、読後感台無し
ならコメント読むなよ
自分自身で回避できる不愉快まで他人のせいにすんな
いつも楽しく観ております。
また遊びにきます。
ありがとうございます。
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